Clock Explorer – CTS Analyzer

良質なクロック・ツリーは目標のパフォーマンスを達成しやすいだけでなく、消費電力が削減され、OCVやイールドの問題も振れ幅が少なくなるため、設計時間の大幅な短縮が可能になります。
しかしCTSは配置配線のツールに統合されているため、実際に作業に入るまで見積もる事が困難でした。
ClockExplorerはスタンドアローンでクロック・ツリー解析環境を提供します。配置配線前の段階で問題点を抽出し、ビジュアルにレポートする事でフロント・エンドデザイナーとの早期対策を可能にします。

クロック診断システム(KPIシステム〜Key Performancee Indicator)

クロックツリーのウイーク・ポイントを探し出すために、回路を端からチェックしていく作業は間違いなく大きな時間と労力が必要です。
ClockExplorer のKPIシステムは、予めツールに設定されているチェック項目についてデザインのクロック構成を解析し、問題点や懸念点、実現性についてレポートします。
設計者は自動チェックがピックアップした問題点についてのみ注目すればよいので、大幅な作業効率の向上が望めます。
結果は回路図とネット情報、文章での説明及び、解決方法を提案します。
CTSの質を設計の早い時期からスコアリングして俯瞰できるので、フィードバックを素早く適切に行う事が可能になります。
  • クロックされていないレジスタの検出
  • タイミング制約のCTS 例外
  • 無効なクロック経路の確認
  • マルチモード制約の競合、クロスチェック
  • 最長/最短のクロック経路によるボトルネックの確認
  • スキューグループのタイミング依存性

クロック・ツリー・スケマティック

ClockExplorer は接続情報からクロック・ツリーに特化したスケマティックを生成することで、ビジュアル化されたデバッグ環境を提供し、フロント・エンドへのフィードバックと連携をスムーズにします。
モジュール化機能とコンパクトな配線表示がクロック・ツリーのクリーンで簡潔な表示を実現し、CTS構想と改善のスピードアップに貢献します。
ロジック・コーンとの関連をクロック・ツリーのスケマティック上でフライライン表示できるので、回路構成に基づいたクロックのデバッグが素早く行えます。
  • 複雑なクロックツリーの適切な表示
  • CTS クロック制約生成のためのSDCマージ
  • タイミング依存分析に基づくクロック・バランスガイド
  • クロック・スキューグループ生成
  • クロック回路図とレイアウトをクロスプロービング

クロック・スキュー解析

CTSの前後で、クロックスキューによるタイミング収束問題が引き起こされます。
クロック・スキューは論理構造的な問題を解決したあとも、スキューグループやパーティションと言った制約上の問題、モードやコーナー、OCVなどの環境変化、最終的な配線ルートとバッファリングによる物理構造の問題を考慮する必要があります。
ClockExplorer ではスキューを様々な角度からレポートするので、スキューに依って起きているタイミング問題の解決を素早く行うことができます。